AWS Summit Tokyo 2023のオフラインに参加しました。
AWS Summit Tokyo 2023のオフラインに参加しました。
はじめに
AmaziaでITインフラ担当をしている吉田です。
弊社ではインフラ環境にAWSを採用しています。
先日2023年4月20日、21日に幕張メッセで、日本最大のAWSを学ぶイベントであるAWS Summit Tokyo 2023が開催されました。
日々のシステム設計構築運用のヒントや新しいAWS技術のキャッチアップになるかと思って参加してきましたので、
遅ればせながらセッションの感想などを書きたいと思います。
こちらは5月22日から6月23日までオンデマンド配信をされていますので、
ご興味あるセッションがあれば参加してみるのもよろしいかと思います。
詳しくはAWS公式サイトをご覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/summits/tokyo/agenda/
当日発表に使われた資料も配布されております。
こちらだけでも見る価値があります(AWSセッションだけでなくパートナーセッションの資料もございました)。
セッション
ここからは私が参加したセッションについての概要と、感想をいくつか記載します。
上記に記載したとおり、今ならオンデマンド配信がされておりますので気軽に新しい知識を得ることができます。
トヨタ CCoE チームの挑戦 オブザーバビリティの活用と DevSecOps の実現
【スピーカー】
New Relic 株式会社
エンタープライズ第二グループ 部長
福井 健二 氏
トヨタ自動車株式会社
デジタル変革推進室
クラウド CoE グループ 主幹
内藤 孝昌 氏
感想
トヨタ各チームがDXのためにリソースを、使いたいときに使いたいタイミングですぐに使えない状態でしたが、
トヨタCCoE(Cloud Center of Excellence)チームが立ち上がり、環境を整備していくことで、DXを推進行ったとのことです。
その中でも今回のセッションでは、オブザーバビリティ(可観測性)を中心にご紹介いただきました。
DevOpsを実施していくメリットは継続的なフィードバックを正しく行うことで、
そのために顧客体験やビジネス状況を含めたオブザーバビリティを重要視しているとのことでした。
おっしゃるとおりですね。
オブザーバビリティを得るためのデータを表示するダッシュボードを作る時の考え方の基本を知ることができました。
ユーザーに近い位置のデータからオブザーバビリティを提供することが重要とのこと。
最終的にはxxsecの遅延が起きたらyy%のユーザが離脱するなどビジネスに紐づけた可観測性が得られるとベストですね。
トヨタ自動車という巨大な組織で、こういった点を進められるのはすごいですね。
オブザーバビリティを得るためのNewRelicを選定した理由として、下記のポイントを検討しNewRelicを採用したとのことでした。
監視ツールの監視をしたくない
顧客体験を重視
多様なプロジェクトにマッチ
サポート体制
別途NewRelicさんのブースにもお邪魔し、製品紹介をしていただいたのですが、
サクッとユーザーに近い位置のデータがグラフ化することができており、
確かにお手軽にオブザーバビリティを提供してくれるようです。
コスト面がマッチすれば適用を考えたいですね。
クルマのサブスク「KINTO」のアジリティとガバナンスを両立する DBRE の取り組み
【スピーカー】
KINTO テクノロジーズ株式会社
シニア DBRE エンジニア
粟田 啓介 氏
感想
DBREとはSoftware EngineeringとDatabase管理のBest Practiceを組み合わせたアプローチ、
Databaseに対する専⾨知識と判断を⽤いてサービスの信頼性を担保することといった対応をしているとのことでした。
クラウドの登場などによってDatabaseそのものは変わっていないがDatabaseを取り巻く周りの環境が変わってきており、
DBAの役割が薄れていき、現場のエンジニアが事業成⻑に注⼒できる環境を提供する役割が必要になってきました。これをDBREが担っているそうです。
主に下記の点を対応しているとのことです。
サービスの稼働率を守る
現場エンジニアの生産性を高める
企業の継続的成長を促進する
内的要因、外的要因からDatabaseを守る
私も過去DBREの書籍を読んだのですが、具体的にどんな対応をしているのがなど本セッションで少しイメージできました。
お話を聞いていて、規模の大きな組織に必要な役割に感じましたね。
AWSでのデータ活用を加速するデータ連携のパターンとベストプラクティス
【スピーカー】
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ISV パートナー本部
シニアパートナーソリューションアーキテクト
吉田 成利 氏
感想
こちらのセッションでは下記内容をお話しいただきました。
データ活⽤における課題とモダンデータアーキテクチャ
データ活⽤基盤への連携パターン
データベース/SaaS アプリケーションからのデータ連携詳解
AWSのモダンデータアーキテクチャでは、
あらゆるデータソースとの連携が可能で、柔軟な構成が取れるようになっていますね。
データの配置場所など中心にはS3があって、S3があるからこそ様々連携がとれることを思っても、改めてS3の凄さを感じます。
また、セッションの説明の中で、
AppFlowがサードパーティのデータと連携できたり(例えばslackなど)、
Glueのブックマーク機能で、データの差分抽出が可能になったり、
色々知らなかったサービス、機能も知ることができました。
現在プレビュー状態ですが、Auroraのデータを直接Redshiftに連携するゼロETL統合が可能になっているとのお話もあり、
ETLの手間をより簡単にできるのは嬉しいです。個人的には今後DynamoDBのデータとかもRedshiftとゼロETLできたりすると嬉しいですね。
ニンテンドーアカウント リノベーションプロジェクト
【スピーカー】
ニンテンドーシステムズ株式会社
感想
164の国、地域で2.9億以上のアカウント数があるシステムのリノベーションとのことで、
全く想像がつかない規模のシステムの移行のお話でした。
2015年から順調に稼働していたけれど、
サービスの発展、時間経過に伴う変化で継続性にリスクが生じてきたとのことで、
リノベージョンを決意されたようです。
EC2上にPerlで実装したシステムをECS on FargateにJavaで実装したシステムかつ
AWSサービスで置き換えできるシステムは置き換えて、リノベーション専任のチームを設立し、
新規開発を継続しながら無停止で乗り換え実施をされたとのことです。
お話では正しいことを正しく実施している印象でした。
これだけの規模でそれができるのは凄いことですね。
弊社でも参考にできる箇所は取り込んでいきたいと思いました。
Fargateへのデプロイにはecspressoを使用したそうで、
名前は聞いたことのあるOSSだったのですが、実際に触ってみたくなりましたね。
AWSではじめるデータクオリティ管理
【スピーカー】
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
AWS Glue
Principal Big Data Architect
関山 宜孝 氏
感想
こちらのセッションでは下記内容をお話しいただきました。
なぜデータクオリティ管理が必要か
データクオリティ管理で欠かせない5つのポイント
AWS Glue Data Qualityを用いたデータクオリティ管理
モダンデータアーキテクチャにおけるデータクオリティ管理
データドリブンの意思決定をするには、意思決定を誤らないように、
正確なデータであることが重要であり、そのため管理が必要ということがわかりました。
ポイントとして、正常状態を定義し、その状態を維持すること。
⼀貫性、精度、完全性、整合性の観点でチェックし、Data-at-rest(データ保管後)、Data-in-transit(データ伝送路上)のチェックタイミングでチェックしていくことが重要で、
AWS Glueはどちらも対応、Data CatalogではData-at-restに、Glue JobではData-in-transitでチェックが可能とのことでした。
お話の印象としては
特に、規模の大きい組織で、データを利用する立場の方がいくつも別れている場合、
データ量が多量な組織においてはかなり有用そうですね。
おわりに
今回3年ぶりのリアルイベントでした、現地に行って参加者の方とお話しするというのはいいですね。
協賛企業のブースも出ており、知らない製品の説明をしていただいたり、オンラインだと目に入りにくい情報も得られました。
Amaziaは業務の一環としてAWS Summitなどのイベントや勉強会に参加しております。
AWSエンジニア、バックエンド、アプリエンジニアを募集中です。
イベントなどで知見を得た新しい技術も採用もしておりますので、
ご興味ある方はぜひエンジニア採用にご応募ください!